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【解説・採点基準付き】2022年佐賀大学医学部・数学の解答・解説

2022年の佐賀大学医学部・数学の、
解答・解説【完全版】です。

方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの採点基準付き。

このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。

目次

2022年佐賀大学医学部数学
第1問 解答・解説

この記事の配点・採点基準は佐賀大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。

第1問は空間ベクトルの問題です。
テーマは「正八面体の頂点の座標、中心から面に下ろした垂線の足、内接球の半径と接点がつくる立方体」。

問題

2022年佐賀大学医学部数学 第1問 問題
2022年佐賀大学医学部数学 第1問 問題
問題文をテキストで読む

座標空間内の4点 $\mathrm{O}(0,\,0,\,0)$、 $\mathrm{A}(2,\,0,\,0)$、 $\mathrm{B}(2,\,2,\,0)$、 $\mathrm{C}(0,\,2,\,0)$ について

$$\mathrm{OD}=\mathrm{AD}=\mathrm{BD}=\mathrm{CD}=2$$

を満たす点 $\mathrm{D}$ で、その $z$ 座標が正、負になるものを、それぞれ $\mathrm{D_1}$、 $\mathrm{D_2}$ とする。次の問に答えよ。

(1) 2点 $\mathrm{D_1}$、 $\mathrm{D_2}$ の座標を求めよ。

(2) 点 $\mathrm{P}(1,\,1,\,0)$ と実数 $a$、 $b$ について

$$a\overrightarrow{\mathrm{OA}}+b\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}-\overrightarrow{\mathrm{OP}}$$

が2つのベクトル $\overrightarrow{\mathrm{OA}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}$ に垂直であるとする。このとき、 $a$、 $b$ の値を求めよ。

(3) 6点 $\mathrm{O}$、 $\mathrm{A}$、 $\mathrm{B}$、 $\mathrm{C}$、 $\mathrm{D_1}$、 $\mathrm{D_2}$ を頂点とする正八面体を $V$ とし、 $V$ のすべての面に内側から接する球を $S$ とする。このとき、 $S$ の半径を求めよ。また、 $V$ の各面と $S$ とのすべての接点を頂点とする凸多面体について、その名称を答え、各辺の長さを求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

図を書いた方が早い。 $\mathrm{D}$ から平面 $z=0$ に下ろした垂線の足を $\mathrm{E}$ とすると、三平方の定理より $\mathrm{OE}^2=\mathrm{OD}^2-\mathrm{DE}^2$ なので、 $\mathrm{D}$ が $\mathrm{O}$、 $\mathrm{A}$、 $\mathrm{B}$、 $\mathrm{C}$ から等距離なら $\mathrm{E}$ も4点から等距離になる。つまり $\mathrm{E}$ は正方形 $\mathrm{OABC}$ の中心 $(1,\,1,\,0)$ で、対称性から $\mathrm{D}$ の $x$ 座標・ $y$ 座標は $1$、 $1$ と分かる。あとは $\mathrm{OE}=\sqrt2$、 $\mathrm{OD}=2$ の直角三角形で高さが求まる。

2022年佐賀大学医学部数学 第1問 解答の方針の図
2022年佐賀大学医学部数学 第1問 解答の方針の図
  1. $\mathrm{D}$ から平面 $z=0$ に下ろした垂線の足 $\mathrm{E}$ が正方形 $\mathrm{OABC}$ の中心 $(1,\,1,\,0)$ になることを言う。
  2. $\mathrm{OE}=\sqrt2$、 $\mathrm{OD}=2$ から、三平方の定理で $\mathrm{DE}$( $z$ 座標の絶対値)を求める。
  3. $z$ 座標の正負で $\mathrm{D_1}$、 $\mathrm{D_2}$ に分ける。

【(2)の方針】

着眼点

垂直の条件は内積0に直す。成分が分かっているので、ベクトルを成分で表して $\overrightarrow{\mathrm{OA}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}$ との内積をそれぞれ0とおけば、 $a$、 $b$ の連立方程式になる。計算するだけの小問である。

また、この式の意味を読んでおく。 $\overrightarrow{\mathrm{OH}}=a\overrightarrow{\mathrm{OA}}+b\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}$ となる点 $\mathrm{H}$ は平面 $\mathrm{OAD_1}$ 上の点で、問題の式は $\overrightarrow{\mathrm{OH}}-\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\overrightarrow{\mathrm{PH}}$ である。これが平面 $\mathrm{OAD_1}$ 上の平行でない2つのベクトルと垂直なので、 $\mathrm{PH}\perp$ 平面 $\mathrm{OAD_1}$。つまり (2) は、 $\mathrm{P}$ から面 $\mathrm{OAD_1}$ に下ろした垂線の足 $\mathrm{H}$ を求める問題である。 $\mathrm{P}$ は (1) の $\mathrm{E}$ と同じ点で、正方形 $\mathrm{OABC}$ の中心であり、線分 $\mathrm{D_1D_2}$ の中点でもあるので、正八面体の中心になっている。よって $\mathrm{H}$ は (3) の内接球と面 $\mathrm{OAD_1}$ の接点である。

2022年佐賀大学医学部数学 第1問 解答の方針の図
2022年佐賀大学医学部数学 第1問 解答の方針の図
  1. $a\overrightarrow{\mathrm{OA}}+b\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}-\overrightarrow{\mathrm{OP}}$ を成分で表す。
  2. $\overrightarrow{\mathrm{OA}}$ との内積を0、 $\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}$ との内積を0とおき、 $a$、 $b$ の連立方程式にする。
  3. 連立方程式を解いて $a$、 $b$ を求める。

中原先生のコメント 90°なら内積が0。垂直という条件を見たら、すぐに内積0に直せるようにしておくことが大事です。直線が平面に垂直であることは、その平面上の平行でない2つのベクトルの両方と垂直であることと同じです。

【(3)の方針】

着眼点

球の問題は、まず位置関係を把握し、中心と半径に注目する。正八面体は対称なので、内接球 $S$ の中心は正八面体の中心 $\mathrm{P}$ である。半径は断面図を切って求めればよい。

ただし、球は辺ではなくそれぞれの面と接するので、面との接点が断面に入るように切ることが大事である。たとえば $\mathrm{O}$、 $\mathrm{B}$、 $\mathrm{D_1}$、 $\mathrm{D_2}$ を通る平面で切ると、断面は1辺2の正方形になるが、この平面は辺 $\mathrm{OD_1}$ などに沿って切っているだけで、面との接点を通らない。この正方形の内接円の半径1は、辺に接する球の半径であり、答えではない。

そこで、辺 $\mathrm{OA}$ の中点 $\mathrm{M}(1,\,0,\,0)$ と $\mathrm{D_1}$、 $\mathrm{D_2}$、 $\mathrm{P}$ を通る平面 $x=1$ で切る。面 $\mathrm{OAD_1}$ は平面 $x=1$ に関して対称で、この平面上の $\mathrm{P}$ から下ろした垂線の足(接点)は面の対称の軸である線分 $\mathrm{MD_1}$ 上にある。さらに面 $\mathrm{OAD_1}$ は平面 $x=1$ に垂直な直線 $\mathrm{OA}$ を含むので、平面 $x=1$ に垂直である。よってこの断面には接点が入り、 $\mathrm{P}$ から直線 $\mathrm{MD_1}$ までの距離がそのまま半径になる。断面はひし形 $\mathrm{MD_1ND_2}$( $\mathrm{N}$ は辺 $\mathrm{BC}$ の中点)で、その内接円が $S$ の断面(大円)である。

接点がつくる多面体は、正八面体の対称性から当然立方体である。辺の長さは、断面図で求めた接点の位置から求まる。

2022年佐賀大学医学部数学 第1問 解答の方針の図
2022年佐賀大学医学部数学 第1問 解答の方針の図
  1. 対称性から $S$ の中心は $\mathrm{P}$ であることを言う。
  2. 面との接点が入る平面 $x=1$ で切り、面 $\mathrm{OAD_1}$ がこの平面に垂直であることを確かめる。
  3. 断面の直角三角形 $\mathrm{PMD_1}$ で、面積を2通りに表して $\mathrm{P}$ から $\mathrm{MD_1}$ までの距離(半径)を求める。
  4. 接点 $\mathrm{H}$ が $\mathrm{MD_1}$ を $1:2$ に内分する点、すなわち面の重心であることを求め、8つの接点を各面の重心として座標で表す。
  5. 対称性から8つの接点は立方体をつくる。上下に並ぶ2つの接点の距離から1辺の長さを求め、上段の4点が同じ長さの正方形をつくることを確かめる。

中原先生のコメント 球の問題は、まず図を書いて位置関係を把握し、そのうえで中心と半径に注目します。球が平面に接しているなら、中心からその平面に垂線を下ろした長さが半径です。円と接線の関係とまったく同じイメージで考えてください。

解答

2022年佐賀大学医学部数学 第1問 解答・解説
2022年佐賀大学医学部数学 第1問 解答・解説
2022年佐賀大学医学部数学 第1問 解答・解説(続き)
2022年佐賀大学医学部数学 第1問 解答・解説(続き)
2022年佐賀大学医学部数学 第1問 解答・解説(続き)
2022年佐賀大学医学部数学 第1問 解答・解説(続き)
解答をテキストで読む

(1) 配点 4点

$\mathrm{D}$ から平面 $z=0$ に下ろした垂線の足を $\mathrm{E}$ とする。三平方の定理より $\mathrm{OE}^2=\mathrm{OD}^2-\mathrm{DE}^2$、 $\mathrm{AE}^2=\mathrm{AD}^2-\mathrm{DE}^2$ などが成り立つので、 $\mathrm{OD}=\mathrm{AD}=\mathrm{BD}=\mathrm{CD}$ より $\mathrm{OE}=\mathrm{AE}=\mathrm{BE}=\mathrm{CE}$ である。よって $\mathrm{E}$ は正方形 $\mathrm{OABC}$ の中心 $(1,\,1,\,0)$ であり、 $\mathrm{D}$ の $x$ 座標と $y$ 座標はともに $1$ である。

$\mathrm{OE}=\sqrt2$(正方形の対角線 $2\sqrt2$ の半分)、 $\mathrm{OD}=2$ なので、直角三角形 $\mathrm{OED}$ で

$$\mathrm{DE}=\sqrt{\mathrm{OD}^2-\mathrm{OE}^2}=\sqrt{4-2}=\sqrt2$$

答 $\mathrm{D_1}(1,\,1,\,\sqrt2)$、 $\mathrm{D_2}(1,\,1,\,-\sqrt2)$

(1) の別解(座標を置いて連立する)

$\mathrm{D}(x,\,y,\,z)$ とおく。 $\mathrm{OD}^2=\mathrm{AD}^2$ より $x^2+y^2+z^2=(x-2)^2+y^2+z^2$、すなわち $x=1$。 $\mathrm{OD}^2=\mathrm{CD}^2$ より同様に $y=1$。このとき $\mathrm{BD}^2=(1-2)^2+(1-2)^2+z^2=2+z^2=\mathrm{OD}^2$ も成り立つ。 $\mathrm{OD}^2=4$ より $1+1+z^2=4$、 $z=\pm\sqrt2$。

(2) 配点 6点

$\overrightarrow{\mathrm{OA}}=(2,\,0,\,0)$、 $\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}=(1,\,1,\,\sqrt2)$、 $\overrightarrow{\mathrm{OP}}=(1,\,1,\,0)$ より

$$\vec{v}=a\overrightarrow{\mathrm{OA}}+b\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}-\overrightarrow{\mathrm{OP}}=(2a+b-1,\ b-1,\ \sqrt2\,b)$$

$\vec{v}\perp\overrightarrow{\mathrm{OA}}$、 $\vec{v}\perp\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}$ より、 $\vec{v}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OA}}=0$、 $\vec{v}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}=0$ である。

$$\vec{v}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OA}}=2(2a+b-1)=0$$

$$\vec{v}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}=(2a+b-1)+(b-1)+2b=2a+4b-2=0$$

すなわち

$$2a+b=1\quad\cdots\text{①},\qquad a+2b=1\quad\cdots\text{②}$$

①-②より $a-b=0$、よって $a=b$。①に代入して $3a=1$。

答 $a=\dfrac13$、 $b=\dfrac13$

( $\overrightarrow{\mathrm{OH}}=a\overrightarrow{\mathrm{OA}}+b\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}$ とおくと、問題の式は $\overrightarrow{\mathrm{PH}}$ で、 $\mathrm{H}$ は正八面体の中心 $\mathrm{P}$ から面 $\mathrm{OAD_1}$ に下ろした垂線の足、すなわち (3) の内接球と面 $\mathrm{OAD_1}$ の接点である)

(3) 配点 10点

半径

$\mathrm{P}(1,\,1,\,0)$ は正方形 $\mathrm{OABC}$ の中心で、線分 $\mathrm{D_1D_2}$ の中点でもある。 $V$ は平面 $z=0$ に関する折り返しと、直線 $\mathrm{D_1D_2}$ のまわりの $90^\circ$ の回転で自分自身に重なり、この2つの移し方で8つの面はすべて面 $\mathrm{OAD_1}$ に移る。このとき $\mathrm{P}$ は動かないので、 $\mathrm{P}$ から8つの面までの距離はすべて等しい。よって $S$ の中心は $\mathrm{P}$ である。

球は面と接するので、面との接点が入るように切る。辺 $\mathrm{OA}$、 $\mathrm{BC}$ の中点を $\mathrm{M}(1,\,0,\,0)$、 $\mathrm{N}(1,\,2,\,0)$ とし、平面 $x=1$ で切る。この平面は $\mathrm{M}$、 $\mathrm{N}$、 $\mathrm{D_1}$、 $\mathrm{D_2}$、 $\mathrm{P}$ を通る。

面 $\mathrm{OAD_1}$ は直線 $\mathrm{OA}$( $x$ 軸)を含み、 $x$ 軸は平面 $x=1$ に垂直なので、面 $\mathrm{OAD_1}$ は平面 $x=1$ に垂直で、2つの平面の交わりは直線 $\mathrm{MD_1}$ である。よって $\mathrm{P}$ から面 $\mathrm{OAD_1}$ に下ろした垂線は平面 $x=1$ の中にあり、その足 $\mathrm{H}$(接点)は直線 $\mathrm{MD_1}$ 上にある。半径 $r$ は、断面での $\mathrm{P}$ から直線 $\mathrm{MD_1}$ までの距離である。

$\triangle\mathrm{PMD_1}$ は $\angle\mathrm{MPD_1}=90^\circ$、 $\mathrm{PM}=1$、 $\mathrm{PD_1}=\sqrt2$、 $\mathrm{MD_1}=\sqrt{1+2}=\sqrt3$ の直角三角形なので、面積を2通りに表して

$$\dfrac12\cdot1\cdot\sqrt2=\dfrac12\cdot\sqrt3\cdot r$$

$$r=\dfrac{\sqrt2}{\sqrt3}=\dfrac{\sqrt6}{3}$$

答 半径 $\dfrac{\sqrt6}{3}$

接点がつくる多面体

直角三角形 $\mathrm{PMD_1}$ で、 $\mathrm{PH}\perp\mathrm{MD_1}$ より $\mathrm{MH}=\dfrac{\mathrm{PM}^2}{\mathrm{MD_1}}=\dfrac{1}{\sqrt3}=\dfrac13\mathrm{MD_1}$。よって $\mathrm{H}$ は中線 $\mathrm{MD_1}$ を $1:2$ に内分する点、すなわち正三角形 $\mathrm{OAD_1}$ の重心で、

$$\overrightarrow{\mathrm{OH}}=\overrightarrow{\mathrm{OM}}+\dfrac13\overrightarrow{\mathrm{MD_1}}=\left(1,\ \dfrac13,\ \dfrac{\sqrt2}{3}\right)$$

である((2) の $a=b=\dfrac13$ による $\overrightarrow{\mathrm{OH}}=\dfrac13\overrightarrow{\mathrm{OA}}+\dfrac13\overrightarrow{\mathrm{OD_1}}$ と一致する)。上の対称性で面 $\mathrm{OAD_1}$ はほかの面に移り、接点はその面の重心に移るので、8つの接点は

$$\left(1,\ \dfrac13,\ \pm\dfrac{\sqrt2}{3}\right),\quad\left(\dfrac53,\ 1,\ \pm\dfrac{\sqrt2}{3}\right),\quad\left(1,\ \dfrac53,\ \pm\dfrac{\sqrt2}{3}\right),\quad\left(\dfrac13,\ 1,\ \pm\dfrac{\sqrt2}{3}\right)$$

である(面 $\mathrm{OAD_1}$、 $\mathrm{ABD_1}$、 $\mathrm{BCD_1}$、 $\mathrm{COD_1}$ が複号の $+$、面 $\mathrm{OAD_2}$ などが $-$)。

8つの接点は正八面体と同じ対称性をもって並ぶので、当然立方体をつくる。実際に確かめる。

$z=-\dfrac{\sqrt2}{3}$ の4点は $z=\dfrac{\sqrt2}{3}$ の4点のそれぞれ真下にあり、上下の間隔は $\dfrac{\sqrt2}{3}-\left(-\dfrac{\sqrt2}{3}\right)=\dfrac{2\sqrt2}{3}$ である。

$z=\dfrac{\sqrt2}{3}$ の4点は、平面 $z=\dfrac{\sqrt2}{3}$ 上で $\mathrm{Q}\left(1,\,1,\,\dfrac{\sqrt2}{3}\right)$ からの距離がすべて $\dfrac23$ で、2本の対角線( $x$ 軸に平行なものと $y$ 軸に平行なもの)は長さがともに $\dfrac43$ で直交し、 $\mathrm{Q}$ で互いに二等分する。よってこの4点は正方形をつくり、1辺の長さは $\dfrac43\div\sqrt2=\dfrac{2\sqrt2}{3}$ で、上下の間隔と等しい。

よって8つの接点は、1辺 $\dfrac{2\sqrt2}{3}$ の正方形を底面とし、高さも $\dfrac{2\sqrt2}{3}$ の正四角柱、すなわち立方体の頂点である。

答 立方体(正六面体)、各辺の長さ $\dfrac{2\sqrt2}{3}$

(3) の半径の別解((2) の H を接点とみる)

(2) より $\mathrm{H}$ は中心 $\mathrm{P}$ から面 $\mathrm{OAD_1}$ に下ろした垂線の足なので、面 $\mathrm{OAD_1}$ との接点で、半径は $|\overrightarrow{\mathrm{PH}}|$ である。

$$\overrightarrow{\mathrm{OH}}=\dfrac13(2,\,0,\,0)+\dfrac13(1,\,1,\,\sqrt2)=\left(1,\ \dfrac13,\ \dfrac{\sqrt2}{3}\right),\qquad\overrightarrow{\mathrm{PH}}=\left(0,\ -\dfrac23,\ \dfrac{\sqrt2}{3}\right)$$

$$|\overrightarrow{\mathrm{PH}}|^2=\dfrac49+\dfrac29=\dfrac23\qquad\text{より}\qquad r=\dfrac{\sqrt6}{3}$$

(検算:正八面体の体積は $2\times\dfrac13\times4\times\sqrt2=\dfrac{8\sqrt2}{3}$、表面積は1辺2の正三角形8枚で $8\sqrt3$。中心 $\mathrm{P}$ と各面でできる8つの三角錐に分けると $\dfrac13\cdot8\sqrt3\cdot r=\dfrac{8\sqrt2}{3}$ で、 $r=\dfrac{\sqrt6}{3}$ )

出題意図

(1) 4点から等距離にある点が正方形の中心の真上・真下にあることを捉え、三平方の定理で座標を求めることができるか

(2) 「2つのベクトルに垂直」を内積0の2本の式に直し、連立方程式で $a$、 $b$ を求めることができるか

(3) 内接球の中心と半径に注目し、面との接点が入る断面で半径を求めることができるか。さらに、8つの接点が対称性から立方体をつくることを捉え、その1辺の長さを求めることができるか。

講評

難易度標準
目標得点15点
目標時間30分

ベクトルの典型問題。
ベクトルでゴリゴリ処理すれば、立体を頭の中で想像しなくても答えまでたどり着ける。
ただ、このくらいの問題は図を書いてパッと分かるようにしておきたい。
(1) は正方形の中心の真上に $\mathrm{D}$ があると見れば三平方の定理だけで終わるし、(3) の半径も面との接点が入る断面を切れば直角三角形1つで求まる。
接点がつくる多面体も、対称性から当然立方体と見抜ける。
佐賀大医ではベクトルが頻出なので、計算で押し切る力と、図で一瞬で見抜く力の両方を持っておいてほしい。

差がつく所・失点しやすい所

  • (3) で、球は辺ではなく面と接するので、面との接点が断面に入るように切るという発想に行き着けるか:平面 $x=1$ で切れば直角三角形1つで半径が求まる。 $\mathrm{O}$、 $\mathrm{B}$、 $\mathrm{D_1}$、 $\mathrm{D_2}$ を通る平面で切ると正方形の内接円の半径1になり、切る所をミスすると答えが合わない。
  • 接点の多面体は対称性から当然立方体だが、上下の間隔と正方形の1辺が等しいことまで書いて、立方体である理由を答案に残す
  • 小問の誘導は「(2) をどう活用できないか」を常に考える。(2) の $\mathrm{H}$ が接点だと気づけば、半径と接点の位置の検算に使える。

2022年佐賀大学医学部数学
第2問 解答・解説

第2問は確率の問題です。
テーマは「ちょうど $n$ 回目で表が5回目になる確率(反復試行)と、その最大値」。

問題

2022年佐賀大学医学部数学 第2問 問題
2022年佐賀大学医学部数学 第2問 問題
問題文をテキストで読む

$n$ を5以上の整数とする。1枚の硬貨を投げる試行を $n$ 回繰り返すとき、表が出る回数が、ちょうど $n$ 回目の試行で5になる確率を $p_n$ とする。次の問に答えよ。

(1) $p_n$ を $n$ を用いて表せ。

(2) $p_n$ の最大値を求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

「ちょうど $n$ 回目で5になる」は、最後の1回から見る。 $n$ 回目は表で確定し、その直前の $n-1$ 回で表がちょうど4回出ていればよい。硬貨は何回投げても表の出る確率が $\dfrac{1}{2}$ で一定なので、反復試行の確率が使える。 $n-1$ 回のうちどの4回で表が出るかが ${}_{n-1}\mathrm{C}_4$ 通りあり、これが反復試行の係数になる。 $n$ 回目は必ず表なので、この選び方には入れない。

2022年佐賀大学医学部数学 第2問 解答の方針の図
2022年佐賀大学医学部数学 第2問 解答の方針の図

中原先生のコメント 反復試行の式は、まず順番を考えずに確率を掛け合わせ、最後にどの回で起こるかという順番を決めて掛けると作れます。ただし、反復試行が使えるのは、毎回の確率が一定のときだけです。

  1. 「 $n-1$ 回目までに表がちょうど4回出て、 $n$ 回目に表が出る」と言いかえる。
  2. $n-1$ 回で表がちょうど4回出る確率を、反復試行で ${}_{n-1}\mathrm{C}_4\left(\dfrac{1}{2}\right)^4\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n-5}$ と表す。
  3. $n$ 回目に表が出る確率 $\dfrac{1}{2}$ を掛けて $p_n$ を求める。

【(2)の方針】

着眼点

$p_n={}_{n-1}\mathrm{C}_4\left(\dfrac{1}{2}\right)^n$ はコンビネーションを含むので、微分や平方完成のように関数として扱って最大値を求めることはできない。こういうときは隣り合う項を比べる。隣り合う項の大小を順に調べれば、増加から減少に変わる所で最大になる。比べ方は「比と1」か「差と0」の2つで、コンビネーションと累乗の積なので比が計算しやすい。割り算は、似ている形どうし( ${}_n\mathrm{C}_4$ と ${}_{n-1}\mathrm{C}_4$、 $2^{n+1}$ と $2^n$)で割ると約分が進む。比がちょうど1になる $n$ があれば、その前後の2項が等しくなり、最大となる $n$ は2つになる。

中原先生のコメント コンビネーションが入った確率の最大値は、まず確率を求め、隣り合う項の比をとって1との大小を比べます。模試でもこの同じパターンばかりが出るので、計算と記述の流れまで覚えてしまってください。

  1. (1) の式から $\dfrac{p_{n+1}}{p_n}$ を求め、似ている形どうしで割って $\dfrac{n}{2(n-4)}$ に整理する。
  2. $n\geqq5$ では $2(n-4)>0$ なので、比と1の大小は $n$ と $2(n-4)$ の大小、つまり $n$ と8の大小で決まる。
  3. $n<8$ で増加、 $n=8$ で $p_8=p_9$、 $n>8$ で減少と並べ、最大となる $n=8,\ 9$ と最大値 $p_8$ を求める。

解答

2022年佐賀大学医学部数学 第2問 解答・解説
2022年佐賀大学医学部数学 第2問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 8点

1回投げて表が出る確率は $\dfrac{1}{2}$ で、何回目でも一定である。表が出る回数がちょうど $n$ 回目で5になるのは、「1回目から $n-1$ 回目までに表がちょうど4回出て、 $n$ 回目に表が出る」ときである。

$n-1$ 回のうち表が出る4回の選び方は ${}_{n-1}\mathrm{C}_4$ 通りなので、反復試行の確率より、 $n-1$ 回目までに表がちょうど4回出る確率は

$${}_{n-1}\mathrm{C}_4\left(\dfrac{1}{2}\right)^4\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n-5}={}_{n-1}\mathrm{C}_4\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n-1}$$

これに $n$ 回目に表が出る確率 $\dfrac{1}{2}$ を掛けて

$$p_n={}_{n-1}\mathrm{C}_4\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n}=\dfrac{(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)}{24\cdot2^n}$$

答 $p_n={}_{n-1}\mathrm{C}_4\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n}=\dfrac{(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)}{24\cdot2^n}$

( $n=5$ のとき $p_5=\dfrac{1}{32}$ で、5回すべて表の確率 $\left(\dfrac{1}{2}\right)^5$ と一致する。 $n=6$ のとき $p_6=\dfrac{5}{64}$ で、6回目が表、1〜5回目のどこか1回だけが裏の5通りから $\dfrac{5}{2^6}$ と一致する)

(2) 配点 12点

(1) より、 $n\geqq5$ のとき

$$\dfrac{p_{n+1}}{p_n}=\dfrac{{}_n\mathrm{C}_4}{{}_{n-1}\mathrm{C}_4}\cdot\dfrac{2^n}{2^{n+1}}=\dfrac{n(n-1)(n-2)(n-3)}{(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)}\cdot\dfrac{1}{2}=\dfrac{n}{2(n-4)}$$

$p_n>0$ であり、 $n\geqq5$ では $2(n-4)>0$ なので

$$\dfrac{p_{n+1}}{p_n}>1\iff n>2(n-4)\iff n<8$$

同じように

$$\dfrac{p_{n+1}}{p_n}=1\iff n=8,\qquad\dfrac{p_{n+1}}{p_n}<1\iff n>8$$

よって

$$p_5<p_6<p_7<p_8=p_9>p_{10}>p_{11}>\cdots$$

となり、 $p_n$ が最大となるのは $n=8,\ 9$ のときである。

最大値は

$$p_8={}_7\mathrm{C}_4\left(\dfrac{1}{2}\right)^8=\dfrac{35}{256}$$

( $p_9={}_8\mathrm{C}_4\left(\dfrac{1}{2}\right)^9=\dfrac{70}{512}=\dfrac{35}{256}$ で、たしかに $p_8=p_9$)

答 最大値 $\dfrac{35}{256}$( $n=8,\ 9$ のとき)

( $n=5$ から $10$ までの値は $\dfrac{1}{32}$、 $\dfrac{5}{64}$、 $\dfrac{15}{128}$、 $\dfrac{35}{256}$、 $\dfrac{35}{256}$、 $\dfrac{63}{512}$ で、増えてから減ることが確かめられる)

(2) の別解(差と0を比べる)

${}_n\mathrm{C}_4={}_{n-1}\mathrm{C}_4+{}_{n-1}\mathrm{C}_3$ を使うと

$$p_{n+1}-p_n=\dfrac{{}_n\mathrm{C}_4-2\cdot{}_{n-1}\mathrm{C}_4}{2^{n+1}}=\dfrac{{}_{n-1}\mathrm{C}_3-{}_{n-1}\mathrm{C}_4}{2^{n+1}}$$

ここで $\dfrac{{}_{n-1}\mathrm{C}_4}{{}_{n-1}\mathrm{C}_3}=\dfrac{n-4}{4}$ なので、 $p_{n+1}-p_n$ の符号は $1-\dfrac{n-4}{4}=\dfrac{8-n}{4}$ の符号と同じになる。よって $n<8$ で $p_{n+1}>p_n$、 $n=8$ で $p_9=p_8$、 $n>8$ で $p_{n+1}<p_n$ となり、本解と同じ結論になる。ただし、比をとる本解のほうが計算は短い

出題意図

(1) 「ちょうど $n$ 回目で表が5回目」を「 $n-1$ 回目までに表がちょうど4回出て、 $n$ 回目に表が出る」と言いかえて、反復試行の確率として表すことができるか

(2) コンビネーションを含む確率の最大を、隣り合う項の比 $\dfrac{p_{n+1}}{p_n}$ と1の大小で調べることができるか。比がちょうど1になる $n$ があるとき、最大となる $n$ が2つあることを捉えることができるか。

講評

難易度簡単
目標得点20点
目標時間15分

反復試行と確率の最大値を組み合わせた典型問題。
(1) は最後の1回を表に固定するだけ、(2) は隣り合う項の比をとって1と比べるだけで、どちらも王道の処理がそのまま通る。
ただ一つ気をつけるのは、比が1になる $n=8$ で $p_8=p_9$ となり、最大が2か所になること。
数学が特に難しい佐賀大学医学部で、こうした典型問題を落とすと合格はかなり厳しくなる。
誘導がなくても「確率を求める→比をとる→1と比べる」を自分で回せることを勉強の基準にして、確実に満点を取ってほしい。

差がつく所・失点しやすい所

  • (2) で、比がちょうど1になる $n=8$ を見落とさずに $p_8=p_9$ という発想に行き着けるか:不等号だけで調べると最大を $n=8$ か $n=9$ の一方だけにしやすい。最大値は同じでも減点される。
  • (1) で $n$ 回目を表に固定する: ${}_n\mathrm{C}_5\left(\dfrac{1}{2}\right)^n$ にすると「 $n$ 回目までに5回」の確率になり、(2) もすべてずれる。 $n=5$、 $6$ を代入して数え上げと比べると防げる。

2022年佐賀大学医学部数学
第3問 解答・解説

第3問は微分法・積分法(数学Ⅲ)の問題です。
テーマは「$y=e^{-x^2}$ の凹凸と変曲点・曲線と直線 $y=f(a)$ で囲まれた図形の $y$ 軸まわりの回転体の体積」。

問題

2022年佐賀大学医学部数学 第3問 問題
2022年佐賀大学医学部数学 第3問 問題
問題文をテキストで読む

関数 $f(x)=e^{-x^2}$ について、正の定数 $a$ は $f”(a)=0$ を満たすとする。次の問に答えよ。

(1) $a$ の値を求めよ。また、関数 $f(x)$ のグラフの凹凸を調べ、変曲点を求めよ。

(2) 曲線 $y=f(x)$ と直線 $y=f(a)$ で囲まれた図形を、 $y$ 軸の周りに1回転させてできる立体の体積を求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

$f(x)$ を2回微分すると $f”(x)=2(2x^2-1)e^{-x^2}$ となる。 $e^{-x^2}$ は常に正なので、符号は $2x^2-1$ で決まり、 $f”(x)=0$ となる $x=\pm\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ の前後で凹凸が変わる。あとは増減と凹凸の表を書けば終わり。総じて (1) は、グラフを書きましょうというだけの問題である。なお $f(-x)=f(x)$ より $f(x)$ は偶関数なので、グラフは $y$ 軸について対称になる。

  1. $f'(x)=-2xe^{-x^2}$、 $f”(x)=2(2x^2-1)e^{-x^2}$ を求める。
  2. $f”(a)=0$ と $a>0$ から $a=\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ を求める。
  3. $2e^{-x^2}>0$ より、 $f”(x)$ の符号は $2x^2-1$ の符号と同じ。 $x=\pm\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ の前後で凹凸が変わることを確かめる。
  4. 増減と凹凸の表を書き、凹凸と変曲点 $\left(\pm\dfrac{1}{\sqrt{2}},\,\dfrac{1}{\sqrt{e}}\right)$ を答える。

【(2)の方針】

着眼点

まずグラフを書いて、囲まれた図形を確かめる。直線 $y=f(a)=\dfrac{1}{\sqrt{e}}$ は (1) の2つの変曲点を通る水平な直線なので、囲まれた図形は (1) の上に凸の部分( $-\dfrac{1}{\sqrt{2}}\leqq x\leqq\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ )を切り取った形になる。この図形は $y$ 軸の両側にあるが、 $y$ 軸について対称なので、回転軸をまたぐ図形は折り返して片方に寄せればよい。左半分は右半分にぴったり重なるので、右半分( $0\leqq x\leqq\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ )だけを回せばよく、体積を2倍してはいけない。体積は、ある所で切ってその断面積を積分するだけ。 $y$ 軸まわりなので高さ $y$ で切ると、切り口は半径 $x$ の円で、面積は $\pi x^2$。よって $x^2$ を $y$ で表せばよい。 $y=e^{-x^2}$ の両辺の対数をとると $x^2=-\log y$ となり、 $x$ を求める必要もない。積分の意味さえ分かっていれば簡単な問題である。残るのは $\log y$ の積分で、原始関数 $y\log y-y$ は暗記しておく。

2022年佐賀大学医学部数学 第3問 解答の方針の図
2022年佐賀大学医学部数学 第3問 解答の方針の図

中原先生のコメント 体積は、ある所でスパッと切って断面積を求め、それを区間で積分するだけである。 $y$ 軸まわりの回転でもやることは全く同じで、高さ $y$ で切ったときの横の長さ $x$ を $y$ で表せばよい。

  1. 曲線と直線 $y=\dfrac{1}{\sqrt{e}}$ の交点 $x=\pm\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ を確かめ、囲まれた図形を $-\dfrac{1}{\sqrt{2}}\leqq x\leqq\dfrac{1}{\sqrt{2}}$、 $\dfrac{1}{\sqrt{e}}\leqq y\leqq e^{-x^2}$ と表す。
  2. 図形は $y$ 軸について対称なので、 $0\leqq x\leqq\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ の部分だけを $y$ 軸のまわりに回せばよいことを確かめる。
  3. 高さ $y$ ( $\dfrac{1}{\sqrt{e}}\leqq y\leqq1$ )で切ると、切り口は半径 $x$ の円。 $x^2=-\log y$ より断面積は $-\pi\log y$。
  4. $\dfrac{V}{\pi}=\displaystyle\int_{\frac{1}{\sqrt{e}}}^{1}(-\log y)\,dy$ と表し、 $\displaystyle\int\log y\,dy=y\log y-y+C$ を使って計算する。
  5. 左辺に寄せた $\pi$ を戻して $V$ を求める。

解答

2022年佐賀大学医学部数学 第3問 解答・解説
2022年佐賀大学医学部数学 第3問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 8点

$$f'(x)=-2xe^{-x^2}$$

積の微分により

$$f”(x)=-2e^{-x^2}+(-2x)\cdot(-2xe^{-x^2})=(4x^2-2)e^{-x^2}=2(2x^2-1)e^{-x^2}$$

$e^{-a^2}>0$ なので、 $f”(a)=0$ より $2a^2-1=0$。 $a>0$ より

$$a=\dfrac{1}{\sqrt{2}}$$

$2e^{-x^2}>0$ なので、 $f”(x)$ の符号は $2x^2-1$ の符号と一致し、 $-\dfrac{1}{\sqrt{2}}<x<\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ で $f”(x)<0$、 $x<-\dfrac{1}{\sqrt{2}}$、 $\dfrac{1}{\sqrt{2}}<x$ で $f”(x)>0$ である。

よってグラフは $-\dfrac{1}{\sqrt{2}}<x<\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ で上に凸、 $x<-\dfrac{1}{\sqrt{2}}$、 $\dfrac{1}{\sqrt{2}}<x$ で下に凸であり、 $x=\pm\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ の前後で凹凸が変わる。

$f\left(\pm\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right)=e^{-\frac12}=\dfrac{1}{\sqrt{e}}$ より、変曲点は $\left(\pm\dfrac{1}{\sqrt{2}},\,\dfrac{1}{\sqrt{e}}\right)$。また $f'(x)$ の符号は $-2x$ の符号と一致し、 $\displaystyle\lim_{x\to\pm\infty}f(x)=0$ なので、増減と凹凸は次のようになる。

| $x$ | $(-\infty)$ | $\cdots$ | $-\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$ | $\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ | $\cdots$ | $(\infty)$ |

|—|—|—|—|—|—|—|—|—|—|

| $f'(x)$ | | $+$ | $+$ | $+$ | $0$ | $-$ | $-$ | $-$ | |

| $f”(x)$ | | $+$ | $0$ | $-$ | $-$ | $-$ | $0$ | $+$ | |

| $f(x)$ | $(0)$ | 下に凸で増加 | $\dfrac{1}{\sqrt{e}}$ | 上に凸で増加 | $1$ | 上に凸で減少 | $\dfrac{1}{\sqrt{e}}$ | 下に凸で減少 | $(0)$ |

答 $a=\dfrac{1}{\sqrt{2}}$。 $-\dfrac{1}{\sqrt{2}}<x<\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ で上に凸、 $x<-\dfrac{1}{\sqrt{2}}$、 $\dfrac{1}{\sqrt{2}}<x$ で下に凸。変曲点は $\left(\pm\dfrac{1}{\sqrt{2}},\,\dfrac{1}{\sqrt{e}}\right)$

(2) 配点 12点

図形の確認  $f(a)=\dfrac{1}{\sqrt{e}}$。(1) より $f(x)$ は $x\leqq0$ で増加、 $x\geqq0$ で減少し、 $f\left(\pm\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right)=\dfrac{1}{\sqrt{e}}$ なので、曲線 $y=f(x)$ と直線 $y=\dfrac{1}{\sqrt{e}}$ は $x=\pm\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ で交わり、 $-\dfrac{1}{\sqrt{2}}<x<\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ では曲線が直線より上にある。よって囲まれた図形は

$$-\dfrac{1}{\sqrt{2}}\leqq x\leqq\dfrac{1}{\sqrt{2}},\qquad \dfrac{1}{\sqrt{e}}\leqq y\leqq e^{-x^2}$$

である(下の図の色の部分)。

片側だけを回す この図形は $y$ 軸について対称なので、 $x\leqq0$ の部分を $y$ 軸のまわりに回してできる立体は、 $x\geqq0$ の部分を回してできる立体と一致する。よって、求める立体は $0\leqq x\leqq\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ の部分を回してできる立体である。

断面積 この立体を高さ $y$ ( $\dfrac{1}{\sqrt{e}}\leqq y\leqq1$ )の平面で切ると、切り口は半径 $x$ の円である。ただし $x$ は $y=e^{-x^2}$ を満たす $x\geqq0$ である。 $y=e^{-x^2}$ の両辺の自然対数をとると $\log y=-x^2$ なので

$$x^2=-\log y$$

よって断面積は $\pi x^2=-\pi\log y$ である( $\dfrac{1}{\sqrt{e}}\leqq y\leqq1$ で $\log y\leqq0$ なので、確かに $-\log y\geqq0$ )。

立式 求める体積を $V$ とすると

$$\dfrac{V}{\pi}=\int_{\frac{1}{\sqrt{e}}}^{1}(-\log y)\,dy$$

計算  $\displaystyle\int\log y\,dy=y\log y-y+C$ ( $C$ は積分定数)なので

$$\dfrac{V}{\pi}=-\Big[y\log y-y\Big]_{\frac{1}{\sqrt{e}}}^{1}=-\left\{(0-1)-\left(\dfrac{1}{\sqrt{e}}\cdot\left(-\dfrac{1}{2}\right)-\dfrac{1}{\sqrt{e}}\right)\right\}=-\left(-1+\dfrac{3}{2\sqrt{e}}\right)=1-\dfrac{3}{2\sqrt{e}}$$

(原始関数 $y\log y-y$ を微分すると $\log y+1-1=\log y$ に戻る)

したがって

$$V=\left(1-\dfrac{3}{2\sqrt{e}}\right)\pi$$

( $2\sqrt{e}=\sqrt{4e}>\sqrt{9}=3$ は $4e>9$ から分かるので、確かに $V>0$ )

答 $\left(1-\dfrac{3}{2\sqrt{e}}\right)\pi$

(2) の別解( $x$ で積分する。円筒を重ねる考え方)

$0\leqq x\leqq\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ の部分を $y$ 軸のまわりに回すとき、幅 $dx$ の縦の帯は、半径 $x$、高さ $e^{-x^2}-\dfrac{1}{\sqrt{e}}$ の薄い円筒になる。その体積 $2\pi x\left(e^{-x^2}-\dfrac{1}{\sqrt{e}}\right)dx$ を集めると

$$V=\int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}}2\pi x\left(e^{-x^2}-\dfrac{1}{\sqrt{e}}\right)dx=\pi\Big[-e^{-x^2}\Big]_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}}-\dfrac{\pi}{\sqrt{e}}\Big[x^2\Big]_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}}=\pi\left(1-\dfrac{1}{\sqrt{e}}\right)-\dfrac{\pi}{2\sqrt{e}}=\left(1-\dfrac{3}{2\sqrt{e}}\right)\pi$$

( $2xe^{-x^2}$ は $-e^{-x^2}$ を微分した形なので、すぐに積分できる。計算はこちらの方が短いが、この公式は教科書では発展的な扱いで、答案で使うなら理由を説明できる必要がある。断面で切る本解はどの回転体にも同じ方法で使えるので、本解を基本にする。検算に使うとよい)

出題意図

(1) 2回微分して $f”(x)=0$ となる所を求め、凹凸の表を書くという微分の基本ができるか

(2) $y$ 軸まわりの回転体を、高さ $y$ で切った断面(円)の面積の積分として立式できるか。 $y$ 軸の両側にある図形を回すときに、片側だけを回せばよいと捉えることができるか。

講評

難易度簡単
目標得点20点
目標時間20分

微分・積分の超基本問題。
(1) は2回微分して凹凸の表を書くだけで、グラフを書きましょうというだけの問題。
(2) も $y$ 軸まわりの回転体なので $x^2$ を $y$ で表せばよく、積分の意味さえ分かっていれば簡単に解ける。
注意するのは、回転軸をまたぐ図形を回すときに体積を2倍しないことだけ。
確実に満点を取りたい問題で、このレベルの問題が解けないようでは、佐賀大学医学部の合格は厳しい。

差がつく所・失点しやすい所

  • (2) で図形が $y$ 軸の両側にあることに気づき、片側だけを回せばよいという発想に行き着けるか:左右の部分は回すと同じ立体になる。何も考えずに2倍すると、答えが2倍にずれる。
  • (2) の $\log y$ の積分の符号: $-\Big[y\log y-y\Big]$ の外のマイナスと、 $\log\dfrac{1}{\sqrt{e}}=-\dfrac{1}{2}$ の符号を落としやすい。最後に $V>0$ を確かめる。
  • (1) の $f”(x)$ の計算:積の微分で $-2e^{-x^2}$ の項を落とすと、凹凸がすべてずれる。

2022年佐賀大学医学部数学
第4問 解答・解説

第4問は複素数平面の問題です。
テーマは「3点 $1$、 $z$、 $z^2$ が正三角形・直角三角形になる $z$ と、その図示」。

問題

2022年佐賀大学医学部数学 第4問 問題
2022年佐賀大学医学部数学 第4問 問題
問題文をテキストで読む

複素数 $z$ について、1、 $z$、 $z^2$ を表す複素数平面上の点をそれぞれ $\mathrm{A}$、 $\mathrm{B}$、 $\mathrm{C}$ とする。次の問に答えよ。

(1) 点 $\mathrm{A}$、 $\mathrm{B}$、 $\mathrm{C}$ が正三角形の3つの頂点となる $z$ をすべて求めよ。

(2) 点 $\mathrm{A}$、 $\mathrm{B}$、 $\mathrm{C}$ が直角三角形の3つの頂点となる点 $z$ 全体を図示せよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

三角形の形状は、1つの頂点から出る2辺のベクトルの比でとらえるのが王道。頂点 $\mathrm{A}$ から出る2辺のベクトル $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ を表す複素数は $z-1$、 $z^2-1$ で、その比は $z^2-1=(z-1)(z+1)$ より $\dfrac{z^2-1}{z-1}=z+1$ ととても簡単な形になる。つまり $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$ を $z+1$ 倍( $z+1$ の偏角だけ回転し、 $|z+1|$ 倍)すると $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ になる。正三角形は「 $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$ を $\pm\dfrac{\pi}{3}$ 回転して1倍すると $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ 」なので、 $z+1$ が $\pm\dfrac{\pi}{3}$ 回転を表す複素数になればよい。

中原先生のコメント 複素数平面は、倍率や回転を調整する場合、1点が原点にないとできません。ただ、ベクトルを使うことによって、あたかも1点が原点にあるかのように考えることができます。

2022年佐賀大学医学部数学 第4問 解答の方針の図
2022年佐賀大学医学部数学 第4問 解答の方針の図
  1. 3点が異なるための条件 $z\neq0,\ \pm1$ を確認する。
  2. 頂点 $\mathrm{A}$ から出る2辺のベクトルの比を $\dfrac{z^2-1}{z-1}=z+1$ と求める。
  3. 正三角形 $\iff$ 「 $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$ を $\pm\dfrac{\pi}{3}$ 回転すると $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ 」 $\iff z+1=\cos\left(\pm\dfrac{\pi}{3}\right)+i\sin\left(\pm\dfrac{\pi}{3}\right)$ として $z$ を求める。

【(2)の方針】

着眼点

直角三角形は、どの頂点が直角かで3通りに場合分けする。やり方は (1) と同じで、直角になる頂点から出る2辺のベクトルの比をとる。直角 $\iff$ 一方のベクトルを $\pm\dfrac{\pi}{2}$ 回転して $k$ 倍( $k>0$ )すると他方になる $\iff$ 比が $k\left(\cos\left(\pm\dfrac{\pi}{2}\right)+i\sin\left(\pm\dfrac{\pi}{2}\right)\right)=\pm ki$、つまり比が純虚数。どの頂点でも $z-1$ が約分されて簡単になる。

  • $\angle\mathrm{A}$ が直角: $\dfrac{\overrightarrow{\mathrm{AC}}}{\overrightarrow{\mathrm{AB}}}$ にあたる $\dfrac{z^2-1}{z-1}=z+1$ が純虚数。
  • $\angle\mathrm{B}$ が直角: $\dfrac{\overrightarrow{\mathrm{BC}}}{\overrightarrow{\mathrm{BA}}}$ にあたる $\dfrac{z^2-z}{1-z}=-z$ が純虚数。
  • $\angle\mathrm{C}$ が直角: $\dfrac{\overrightarrow{\mathrm{CA}}}{\overrightarrow{\mathrm{CB}}}$ にあたる $\dfrac{1-z^2}{z-z^2}=\dfrac{z+1}{z}$ が純虚数。

あとは、それぞれを $z=x+yi$ とおいて計算するのではなく、図形として読む。 $z+1=z-(-1)$ が純虚数なら点 $-1$ から $z$ へのベクトルが実軸に垂直、 $-z$ が純虚数なら $z$ は虚軸上。 $\dfrac{z+1}{z}=\dfrac{-1-z}{0-z}$ は、 $\mathrm{P}(-1)$、 $\mathrm{O}(0)$、 $\mathrm{Z}(z)$ とすると $\overrightarrow{\mathrm{ZO}}$ に対する $\overrightarrow{\mathrm{ZP}}$ の比なので、純虚数 $\iff\angle\mathrm{PZO}=\dfrac{\pi}{2}$。直径 $\mathrm{PO}$ を見込む角が直角なので、 $\mathrm{Z}$ は $\mathrm{PO}$ を直径とする円の上にある。

中原先生のコメント 複素数平面は、式の計算で押し切るのではなく、式が図形として何を表しているかを捉えることが大事。

2022年佐賀大学医学部数学 第4問 解答の方針の図
2022年佐賀大学医学部数学 第4問 解答の方針の図

最後に、3点が異なる条件 $z\neq0,\ \pm1$ で除く点( $0$ と $-1$ )を白丸にする。純虚数は $0$ でないので、比が純虚数なら3点は一直線上にも並ばない。

  1. 3点が異なる条件 $z\neq0,\ \pm1$ のもとで、直角になる頂点で3通りに場合分けする。
  2. 直角になる頂点から出る2辺のベクトルの比を求め、直角 $\iff$ 比が純虚数とする。
  3. $\angle\mathrm{A}$ が直角のときは $z$ の実部が $-1$、 $\angle\mathrm{B}$ が直角のときは $z$ が虚軸上と読む。
  4. $\angle\mathrm{C}$ が直角のときは、比を $\overrightarrow{\mathrm{ZO}}$ に対する $\overrightarrow{\mathrm{ZP}}$ の比と見て、 $\mathrm{PO}$ を直径とする円と読む。
  5. 3つの図形を合わせ、点 $0$、 $-1$ を除いて図示する。

解答

2022年佐賀大学医学部数学 第4問 解答・解説
2022年佐賀大学医学部数学 第4問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 8点

$\mathrm{A}$、 $\mathrm{B}$、 $\mathrm{C}$ が三角形の頂点となるので、3点は異なる。 $z\neq1$、 $z^2\neq1$、 $z^2\neq z$ より

$$z\neq0,\qquad z\neq1,\qquad z\neq-1$$

頂点 $\mathrm{A}$ から出る2辺のベクトル $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ を表す複素数は $z-1$、 $z^2-1$ で、その比は

$$\dfrac{z^2-1}{z-1}=\dfrac{(z-1)(z+1)}{z-1}=z+1$$

すなわち $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$ を $z+1$ 倍すると $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ になる。

$\triangle\mathrm{ABC}$ が正三角形 $\iff\mathrm{AB}=\mathrm{AC}$ かつ $\angle\mathrm{BAC}=\dfrac{\pi}{3}$ $\iff$ $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$ を $\pm\dfrac{\pi}{3}$ 回転すると $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ になる、なので

$$z+1=\cos\left(\pm\dfrac{\pi}{3}\right)+i\sin\left(\pm\dfrac{\pi}{3}\right)=\dfrac{1}{2}\pm\dfrac{\sqrt3}{2}i$$

よって

$$z=-\dfrac{1}{2}\pm\dfrac{\sqrt3}{2}i\qquad\text{(複号同順)}$$

これは $z\neq0,\ \pm1$ を満たす。

答 $z=\dfrac{-1+\sqrt3\,i}{2}$、 $\dfrac{-1-\sqrt3\,i}{2}$

別解((1):辺の長さで考える)

$\mathrm{AB}=|z-1|$、 $\mathrm{BC}=|z||z-1|$、 $\mathrm{CA}=|z^2-1|=|z-1||z+1|$ で、 $|z-1|\neq0$ で割ると、正三角形 $\iff|z|=1$ かつ $|z+1|=1$。 $z$ は原点中心・半径1の円と、点 $-1$ 中心・半径1の円の交点なので、 $z=\dfrac{-1\pm\sqrt3\,i}{2}$。

(2) 配点 12点

(1) と同様に、 $z\neq0,\ \pm1$ のもとで考え、直角になる頂点で場合分けする。直角になる頂点から出る2辺のベクトルについて、一方を $\pm\dfrac{\pi}{2}$ 回転して $k$ 倍( $k>0$ )すると他方になるので、その比は

$$k\left(\cos\left(\pm\dfrac{\pi}{2}\right)+i\sin\left(\pm\dfrac{\pi}{2}\right)\right)=\pm ki$$

すなわち $0$ でない純虚数である。逆に比が $0$ でない純虚数なら、2辺は垂直で、3点は一直線上にない。

(i) $\angle\mathrm{A}=\dfrac{\pi}{2}$ のとき (1) より $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ の比は $\dfrac{z^2-1}{z-1}=z+1$。これが純虚数なので、 $z+1=ti$( $t$ は $0$ でない実数)より $z=-1+ti$。よって $z$ は点 $-1$ を通り虚軸に平行な直線(実部が $-1$ の直線)の上の点(点 $-1$ を除く)。

(ii) $\angle\mathrm{B}=\dfrac{\pi}{2}$ のとき 頂点 $\mathrm{B}$ から出る2辺 $\overrightarrow{\mathrm{BA}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{BC}}$ の比は

$$\dfrac{z^2-z}{1-z}=\dfrac{z(z-1)}{-(z-1)}=-z$$

これが純虚数、すなわち $z$ が純虚数。よって $z$ は虚軸上の点(原点を除く)。

(iii) $\angle\mathrm{C}=\dfrac{\pi}{2}$ のとき 頂点 $\mathrm{C}$ から出る2辺 $\overrightarrow{\mathrm{CB}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{CA}}$ の比は

$$\dfrac{1-z^2}{z-z^2}=\dfrac{(1-z)(1+z)}{z(1-z)}=\dfrac{z+1}{z}$$

これが純虚数となる条件を求める。 $\mathrm{P}(-1)$、 $\mathrm{O}(0)$、 $\mathrm{Z}(z)$ とすると

$$\dfrac{z+1}{z}=\dfrac{-1-z}{0-z}$$

は、 $\overrightarrow{\mathrm{ZO}}$ に対する $\overrightarrow{\mathrm{ZP}}$ の比である。これが純虚数 $\iff\angle\mathrm{PZO}=\dfrac{\pi}{2}$( $\mathrm{Z}\neq\mathrm{P},\ \mathrm{O}$ )。

直径 $\mathrm{PO}$ を見込む角が直角なので、 $\mathrm{Z}$ は線分 $\mathrm{PO}$ を直径とする円の上にある。逆にこの円の上の $\mathrm{P}$、 $\mathrm{O}$ 以外の点では $\angle\mathrm{PZO}=\dfrac{\pi}{2}$ である。よって $z$ は点 $-\dfrac{1}{2}$ を中心とする半径 $\dfrac{1}{2}$ の円 $\left|z+\dfrac{1}{2}\right|=\dfrac{1}{2}$ の上の点(点 $0$、 $-1$ を除く)。

(i)〜(iii) をあわせる。除く点のうち $0$、 $-1$ は図形の上にあり、 $1$ はどの図形の上にもない。

答 図の太線部分。実部が $-1$ の直線、虚軸、点 $-\dfrac{1}{2}$ を中心とする半径 $\dfrac{1}{2}$ の円をあわせたもの。ただし点 $0$、 $-1$ を除く(白丸)

別解((2)(iii):純虚数条件を共役で式にする)

$w=\dfrac{z+1}{z}$ が純虚数 $\iff\overline{w}=-w$ かつ $w\neq0$。

$$\dfrac{\overline{z}+1}{\overline{z}}=-\dfrac{z+1}{z}$$

両辺に $z\overline{z}$ をかけて $z\overline{z}+z=-z\overline{z}-\overline{z}$、すなわち $z\overline{z}+\dfrac{1}{2}z+\dfrac{1}{2}\overline{z}=0$。両辺に $\dfrac{1}{4}$ を足して因数分解すると

$$\left(z+\dfrac{1}{2}\right)\left(\overline{z}+\dfrac{1}{2}\right)=\dfrac{1}{4}\qquad\text{すなわち}\qquad\left|z+\dfrac{1}{2}\right|=\dfrac{1}{2}$$

$w\neq0$ より $z\neq-1$、さらに $z\neq0$ で、本解と同じ円になる。

別解((1)(2):相似な三角形に置きかえる)

$\mathrm{AB}:\mathrm{BC}:\mathrm{CA}=|z-1|:|z||z-1|:|z-1||z+1|=1:|z|:|z+1|$ で、これは $\mathrm{P}(-1)$、 $\mathrm{O}(0)$、 $\mathrm{Z}(z)$ の3辺 $\mathrm{PO}:\mathrm{OZ}:\mathrm{ZP}$ と同じ比。よって $\triangle\mathrm{ABC}\backsim\triangle\mathrm{POZ}$( $\mathrm{A}\leftrightarrow\mathrm{P}$、 $\mathrm{B}\leftrightarrow\mathrm{O}$、 $\mathrm{C}\leftrightarrow\mathrm{Z}$ )。 $\triangle\mathrm{POZ}$ が正三角形・直角三角形になる $\mathrm{Z}$ を考えればよく、直角が $\mathrm{P}$ なら実部 $-1$ の直線、 $\mathrm{O}$ なら虚軸、 $\mathrm{Z}$ なら $\mathrm{PO}$ を直径とする円と、すぐに分かる。

出題意図

(1) 三角形の形状を、1つの頂点から出る2辺のベクトルの比 $\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}$ で表し、その比が回転と拡大を表すと読むことができるか

(2) 直角になる頂点で3通りに場合分けし、それぞれの比が純虚数になる条件を図形(垂直な直線・直径を見込む円)として読み取り、3点が異なるための除外点まで正しく図示できるか

講評

難易度やや簡単
目標得点20点
目標時間20分

複素数平面の典型問題。
2辺のベクトルの比で三角形の形をとらえる、という王道の処理をするだけ。
(1) は $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$ を $\pm\dfrac{\pi}{3}$ 回転すると $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ になる、(2) は直角の頂点で比が純虚数になる、と同じ考え方で解ける。
佐賀大医を目指すなら、誘導がなくても (2) を単体で解けることを勉強の基準にし、除外点まで含めて満点を取り切りたい。

差がつく所・失点しやすい所

  • 比を図形として読み、(iii) を「直径を見込む角が直角」の円と捉える発想に行き着けるか: $z=x+yi$ とおいて実部を0にすると計算が重くなり、円であることにも気づきにくい。
  • 直角になる頂点の場合分けの漏れ: $\angle\mathrm{A}$ だけで終えると直線1本しか残らない。
  • 除外点: $0$、 $-1$ は3点が重なるので白丸にする。

2022年佐賀大学医学部・数学の
講評とまとめ

4問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。

大問難易度目標点
第1問標準15点
第2問簡単20点
第3問簡単20点
第4問やや簡単20点
合計75点

この年の佐賀大学医学部の数学は典型問題が4題なので、点数を落とすとかなり厳しい。
このレベルなら第1問以外はみんな確実に高得点を取ってくるので、苦手分野がないように満遍なく鍛えて、スラスラ解けるレベルにしておきたい。
本当に落としていいのは第1問だけで、目標点は70点台の中盤。

解く流れ

  • 第2問 → 第3問 → 第4問 → 第1問
  • 目標時間:第2問 15分・第3問 20分・第4問 20分・第1問 30分。合計85分で、残りを見直しと検算に使える。
  • 落とせない第2問・第3問・第4問を先に満点で仕上げ、落としてもよい第1問を最後に回す。
  • 見直しでは、第2問で $p_8=p_9$ を値で確かめる、第3問(2) を $x$ で積分する別解で求め直す、第4問(2) の図形の上の点で実際に直角になるかを1点ずつ確かめる、などで検算する。

2022年佐賀大学医学部・数学に
関するよくある質問

2022年の佐賀大学医学部・数学について、よく聞かれる質問にお答えします。

2022年の佐賀大学医学部・数学は難しかった?

2022年の佐賀大学医学部・数学は、全体として「簡単」の年でした。
典型問題が4題そろっていて、第1問(空間図形)以外はみんな高得点を取ってきます。

2022年の佐賀大学医学部・数学は何点取れば合格できる?

目標点は75点です(80点満点)。

2022年の佐賀大学医学部・数学はどこで差がつく?

特に差がついたのは、次の3つです。

  • 第1問(3):(2) が「中心から面への垂線の足」だと気づけるか。
  • 第2問(2):比が1になる $n=8$ を見落とさないか。
  • 第4問(2):3つの場合分けと除外する点を書き切れるか。
2022年の佐賀大学医学部・数学は何が出題された?

大問ごとの単元は、次のとおりです。

  • 第1問:空間ベクトル
  • 第2問:確率
  • 第3問:微分法・積分法(数学Ⅲ)
  • 第4問:複素数平面

佐賀大学医学部の数学の過去問を年度別に見る

この記事を書いた人

ラ・サール高校から九州大学医学部医学科へ現役合格。医師国家資格所持するも、多くの受験生を難関大学に合格させるべく教育業界を選択。この度、自分の理想とする教育を生徒に少しでも提供するべく、個人で塾の開校に至る。
現役合格を目指し、熱い想いで指導に携わる。

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